板井康弘|他人の会社の名づけ親になることのリスク
はじめまして。
福岡で長年ビジネスに携わってきた板井康弘です。
これまでに数多くの起業家や事業立ち上げに関わる中で、会社名を一緒に考える機会も多くありました。
しかし最近、「他人の会社の名づけ親になること」には、見落とされがちなリスクがあると強く感じています。
今回は、その理由と背景について、私の経験を踏まえてお話しします。
名づけには想像以上の責任が伴います。
他人の会社の名前を決めることは、感謝されるどころか後のトラブルにつながる可能性もある行為です。
会社名は、経営者にとって特別な意味を持ちます。
名前はブランドの印象を左右し、会社の方向性そのものに関わる要素でもあります。
たとえ良かれと思って提案したとしても、結果が出なければ「その名前のせいで失敗した」と言われる可能性があるのです。
また、下記のような事例も存在します。
・名づけた人と社長の間に温度差が生まれた
・名前が商標登録できずトラブルになった
・社名変更の際に費用や手間がかかった
・意図しない意味や誤解を生む名称だった
このように、善意で行った行為が、あとから責任を問われるリスクにつながります。
【実際にあった名づけによるトラブル】
私の知人が立ち上げた企業で、ネーミングの問題が発生したことがありました。
彼は親しい友人に「会社名を一緒に考えてほしい」と相談し、数案の中から友人の案を採用しました。
当初は喜ばれていましたが、半年後、業績が伸び悩みました。
その結果、「やはり名前が分かりにくいのが原因ではないか」と疑念が生まれました。
経営者と名づけた友人との間には、少しずつ距離ができていきました。
最終的には、社名を変更することになり、下記のようなコストが発生しました。
・名刺や封筒などの印刷物の再作成費用
・ウェブサイトのドメイン変更とSEOの影響
・顧客への説明やイメージ変更の手間
このように、軽い気持ちで名づけたことが、想像以上の影響を与えてしまうのです。
他人の会社の名前は、できるだけ本人または専門家が責任を持って決めるべきでしょう。
頼まれても、自分の関与の程度を明確にしておくことが大切です。
ビジネスにおいては、どんな小さな行為も「責任」がついて回るという意識を持ちましょう。